1 旅立ち
旅のはじまりは早朝5:30.まだ真っ暗な冬の朝にマイカーで空港を目指した。自宅近くのコンビニで頭のキレに処方箋。パンとコーヒーとレッドブル。こいつが後後効くだろう。コンビニ前の幹線道路は、不気味なほど静かで、たまに新聞配達のカブが過ぎ行く程度。30分もしたら混みだすだろう。とっとと歩を進めよう。
いくぶん空が明るくなってきたタイミング、空港前のSAで10分ほどの休憩。なぜか家畜の肥やしのような香りがたちこめていて鼻がやられた。外気を取り込んでいたヒーターは手遅れで、しばらくはこの悪臭に付き合わざるを得なかった。これから向かう海の向こうでは、高貴な香りで迎えられることを願った。
7:00 空港到着。無臭。人はまばらにはいるが、パリッとしたビジネスマンも、うきうきした旅行者もいない。日本の朝は表情がない。私は一人ハイテンション。これが噂のレッドブル効果。成田への出発は8:30、近づくにつれて気が重くなる。飛行機は苦手。地に足がつかないのは、何においても落ち着かない。人生も乗り物も同じ。しかし、飛ぶしかない。
この旅の初フライトはとても快適だった。揺れもほとんどなく、空も明るく美しい。見事に着地が決まると、とにかくとにかくほっとした。少しゆっくりしよう。まだここは成田ジャパン。
地方都市に住んでいると国際線乗り継ぎはロスが多い。特に今回は待ちが長く、隣国にハブ空港の座を奪われのも当然かもしれないと思った。暇をつぶすのもたいへんだ。TSUTAYAで立ち読み3時間、なんやかんやで時は過ぎ、いよいよ出国の時が近づく。愛煙家にとっては苦しいロングフライトのはじまりだ。デューティフリーも残酷で、売ってはくれても吸わせてはくれない。残された短い時間。ぐっと煙を吸い込んで、旅への期待に胸膨らむ。
つづく
Mateo=Rich